波止場のじいさんの巻(ポリムーチョ・ヘンダーソンの出来事)
センチメンタルな 潮風 胸いっぱい だきしめるために 夕焼け波止場に やってきました。 ふと見ると エキゾチックな じいさんが ポーズとってたので、話しかけてみた。
「もしかして おじいさんは マドロスさんですか?」 「はい マドロスです。」 「センチメンタルな 思い出話、きかせてください。」 「はい お話ししましょう。 あれはたしか 70年ぐらい前のことじゃ わしがスリランカ沖で 遭難した時のことじゃった 波があんまりにも大きかったので 船がさかさまになったまま しばらく走っていた。 ワインが飲みにくかったのじゃ」
よく朝 目を覚ますと 砂浜に 流れついていたんじゃ。 「かにさん よく眠れましたか?」 「ちょっと さむかったねー」 「さかなさんは どうだったですかー?」 「おれ いつも ラジオききながら寝てるから、ちょっと つらかったねー あんたは、どうだったい」 「わたしは 寝るまえに しこたまワインのんでたから ぐらん、ぐらん きちゃって 記憶ないねー」 「あんた すさんだ生活してるねー」 「やーー ひとりもんだしねー 」 「おれもそうだよ」「あっ、おれもそうだぜ」 「はっ、はっ、はっ ぶわっはっはっ だはっ!」 と、いうような 朝の会話を楽しんだでした。
「それからじゃ、ぼっちゃん」 「なに?じいちゃん」 「遭難した時などには まずは 火をおこすことが大切じゃ わしは ひいおじいさんから 弥生時代の火おこしの儀式のやりかたを 教わっていたので 石を運んで来たりして ちゃくちゃくと 準備をととのえていった はーー、疲れた あとは 30日間いけにえ踊りをやるだけだ ちょっといっぷくね シュポ おーーー ライター発見! と、いうわけで この時は ひかくてき スピーディーに 火をおこすことが出来て たいへん よかったでした。」
「さて、ぼっちゃん」 「なに?じいちゃん」 「ひじょうに 話は変わるのじゃがね あそこ 見てごらん! たいへん のんびりさわやかな牛がいるじゃろう。」 「はい、じいさん」 「しかしなんじゃ わしは あの牛の 本当の生活を知っているのです。 こうやって見ると けっこう裕福な家庭の のんびりさんに見えるが じつは 夜勤をしておるのじゃ しかも 夜中3時まで働いた後 ボランティアで「夫婦もめごと電話相談」を受け さらに 新聞配達のアルバイトで あせを流しているのです。 ですから あの牛は 睡眠不足です。
「ところで ぼっちゃん」 「なに、じいちゃん」 「そこを犬が 散歩しているが、その犬はじつはサイです と言われたら どうしましょう さらに、ユリの花の一種かもしれません。 ようするに、その犬と ぼっちゃんとの 心のふれあいによって、 その犬は 大きなマグロにも こわい悪魔にも 天使さんにも変わるのです。」 「じいちゃん その犬 じいちゃんの足かんでるけど じいちゃんとの 心のふれあいで言うと 天使さんなの? やっぱ、犬なの?」 「えっ?、、 おわっ、、、、 あう、、 あ、悪魔さんじゃー~~!」
「きゃーーーー、ぼっちゃん」 「なに、じいちゃん」 「わしは 今 心のふれあいに 失敗して 傷だらけです。 いとしい ばあさんの胸にだきついて まるで 赤子のように 泣きじゃくりたい シャイな 気分です さようなら お元気で!」 「それは おつらいでしょう さようなら 」